●上富田町と小栗伝説  −小栗半官・照天(照手)姫物語− 

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 あとがき

 第十一回小栗サミット二〇〇二口熊野のつどいは平成十四年六月二十二日、二十三日に上富田町内に於いて開催されました。熊野信仰に結びついた物語の小栗は、遊行上人の導きで相模の藤沢を出て、美濃・大津・京・大阪、そして熊野へと土車を進めてきていて、各地に小栗・照手にからむ伝説や伝承を色濃く残しています。

 第十六回小栗サミット「口熊野のつどい」を開催するにあたり、この物語にかかわる郷土の伝承を再発掘して後世に伝えるとともに、実際に身体障害者やハンセン病に苦しむ人々が、癒しを願って、険路をたどって熊野へ来たことに思いを至し、そうした人々の人権の回復や確立にも資したいと念じています。

 小栗・照手や障害者たちの歩みにかかわりの深い熊野古道が、近く世界遺産に登録されようとしている時期に、口熊野の地で小栗サミットが開催される意義は大きいものでありました。

水本雄三先生は「小栗伝承」の研究家として全国的にも知られ平成十三年には上富田文化会で紀南に位置する県立高校七校の演劇部が学校枠をこえて「オグリ伝説」を指導し深い感銘をあたえ芸術的にも高い評価をうけました。

水本先生には多忙の中、上富田と小栗伝説−小栗判官・照手姫物語−を執筆をお願いしました。

記してお礼申し上げます。                               (編集 谷本圭司)