口熊野・熊野古道

平安時代から盛んになった熊野詣。

各地から熊野三山へと続くかつての参詣道は熊野古道として知られています。

熊野古道の中辺路と大辺路の分岐点にあり、口熊野と呼ばれたかみとんだには、三つの王子跡が点在し、なかでも、世界遺産登録された八上王子跡と稲葉根王子跡が人気のスポットになっています。周辺の見どころとともに、古道の面影を富田川沿いにたどってみましょう。

八上王子跡から一瀬王子跡

聖なる川とされた富田川に沿うように熊野古道が続きます。

地元の産土神として崇められる八上神社がかつての八上王子です。

ここから、かみとんだの熊野古道ウォークをスタートするのがおすすめです。平坦な道を少し歩くと、南紀熊野ジオパークのジオサイトにも認定された田中神社の森が見えます。神社裏手には大賀ハスが植栽されたハス田があり、夏の花の季節は必見です。田中神社から世界遺産の稲葉根王子跡までは、王子谷越え、稲葉根トンネル、旧311号の3つのルートがあります。王子谷越えルートは最短ですが、道があれている場所もあり注意が必要です。稲葉根王子跡向かいの富田川畔にある稲葉根公園には、水垢離場跡があります。みそぎの川として名高かった富田川は、足をひたせばさまざまな悪業も悩みも消えると信じられていました。

稲葉根王子跡からは畑山橋(潜水橋)を渡り、山沿いを歩けばゴールの一瀬王子跡に着きます。

興禅寺(だるま寺)

日本一の白いだるま坐像が迎えてくれます

創建は1200年前にさかのぼるとされる古刹です。豊臣秀吉の紀州征伐で焼失しましたが、江戸時代に再興されました。熊野古道の一瀬王子跡近くにあり、境内隣接地に建立された日本一の白いだるま坐像が名高く、だるま寺の通称で親しまれています。町指定文化財の聖観世音菩薩立像や「興禅寺文書」と呼ばれる古文書百点余など、文化財も数多く所蔵しています。また、江戸時代に定められた、近西国三十三所南紀霊場の15番札所で、ツツジやアジサイ、シャクナゲ、紅葉に彩られる回遊式庭園も見事です。また、「水琴窟(すいきんくつ)」の音色は、癒しの音として親しまれています。
日本一の白いだるま坐像は1973年に建立されました。

八上王子跡(八上神社)

12世紀初めに創建されたとされる、熊野九十九王子の一つです。歌人西行が歌を詠んだ地として有名で、境内の社殿横には歌碑が2基建てられています。国指定史跡。

(熊野参詣道・南方曼陀羅の風景地)境内には西行法師の山家集にちなむ西行歌碑が建てられています。

大賀ハス

田中神社裏手のハス田では、2000年の眠りから目覚めた古代ハスの花が観賞できます。

田中神社

ジオサイトにも認定された岡川沿いの古社です。かつては現在地より6キロメートルほど上流にありましたが、大水で森ごと流されてきたと伝わっています。国指定史跡(南方曼陀羅の風景地)

稲葉根王子跡
熊野九十九王子のなかでも重要な王子とされる五躰王子の一つです。藤原定家の『後鳥羽院熊野御幸記』には、ここに馬を預けて石田川(富田川)を渡り、一瀬王子に詣ったと記されています。国指定史跡。(熊野参詣道)
 

一瀬王子跡
昔の熊野詣では、富田川の瀬を何度も渡りましたが、その最初の地点が一ノ瀬です。一瀬王子跡は江戸時代には所在が分からなくなっていましたが、紀州藩の調査で再興されました。県指定文化財。
 

この記事に関するお問い合わせ先

振興課 企画・商工観光班

〒649-2192
和歌山県西牟婁郡上富田町朝来763番地
電話番号:0739-34-2370 ファックス:0739-47-4005

メールでのお問合せはこちら

更新日:2020年03月16日