上富田の石塔  (その2) 

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 まえがき

 前回の板碑≠ニ一石五輪塔≠ノついで、今回は宝篋印塔≠ノついて紹介する。しかし前回の板碑の追補として、新に発見した四基(板碑二基・板碑形式、近世板碑二基)を記し本紙の宝篋印塔について記述することにした。

 宝篋印塔とは、過去・現在・未来にわたる諸仏の全身舎利を奉蔵するために、「宝篋印陀羅尼経」を納めた供養塔をいい、鎌倉中期ごろから造立された。基本的には基壇上に、基礎・搭身・笠・相輪をつみあげ、搭身の四面に梵字ぼんじを彫る。町域内にみる室町時代の遺品は完存するものは稀である。江戸時代のものが現存しているが、基本的な宝篋印塔とは異なり、隅飾突起がそりかえりひらいているほか搭身の下の段に変って請花うけばなを設け、相輪の請花・伏鉢ふせばちの彫刻過剰がみられる。

中世の宝篋印塔

近世の宝篋印塔