上富田の石塔  (その2) 

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 追補 板碑形式(近世板碑) 

7.観音寺無縁墓地板碑(その4)   生馬

 観音寺無縁墓地板碑は、頂部山形板状で花崗岩。総高70センチ、幅27センチ、厚さ(上部)14センチ。(下部)18センチで完存。表面中央に五輪塔型一基を薄肉彫りし、各輪に五大の種子を陰刻し、地輪部(高さ28センチ、幅19センチ)の表面に

種子

(ア)

 元禄十二巳卯年

 唱誉惣讃信尼

   十二月十八日

と造立、紀年銘、法名を刻している。元禄12年は西暦1699年で、江戸時代前期の造立である。

8.正福寺境内の板碑   岩崎

 花崗岩製。下部から根部を欠損する総高82センチ、幅36センチ、厚さ29センチ、頂部を宝珠型に削り、碑面には薄く枠を帯状にめぐらし、上部の月輪内に阿弥陀の梵字「キリーク」を彫りくぼめ、その下の碑面に、

(梵字)キャ・カ・ラ・バ・ア見

寛永八

花童子

九月十

と陰彫している。早逝した子供の冥福を願って造立されたものであろう。寛永8年は西暦1631年で江戸時代前期である。

(観音寺無縁墓地板碑)

(観音寺無縁墓地板碑)

(正福寺境内の板碑)

(正福寺境内の板碑)