●南方熊楠と上富田町 

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 熊楠を支えた人びと


 熊楠は門弟というのを持とうとしなかったが、その研究姿勢にかれて志願して協力を申出る人があれば、それを拒むこともなかった。粘菌では小畔こあぜ四郎、上松しげる、平沼大三郎の三人がそれで、キノコでは北島しゅう一郎、樫山嘉一、平田寿男、田上茂八の四人がいる。

 熊楠は、前記三人を「三羽がらす」、後の四人を「四天王してんのう」と呼んで、共同の研究者として遇している。この四天王のうち田上が新庄村の人で、あとの三人は岡の出身者だった。また岩田出身で親交があったのは宇井縫蔵で、宇井は南方の質問を牧野富太郎に斡旋するなど植物、魚類の方面での協力者だった。このほか、町内の民話、民俗について話題を提供した人びとも先きにみたように多かった。

菌類図 (樫山嘉一宛)

菌類図 (樫山嘉一宛)