●上富田町の森林 

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1.概要

汗川源流から富田川流域を望む

汗川源流から富田川流域を望む

 関東以西の西南日本は暖温帯常緑照葉樹林帯に属している。したがって、和歌山県・上富田町もタブ・シイ・カシなどの常緑照葉樹林が茂っていたと考えられる。紀南の森林の垂直分布は、低・平地にはタブ林が、山脚部や河岸段丘にはイチイガシ林が、丘陵地にはシイ林が広く生育し、標高600m付近から上部はカシ林となる。さらにその上部、900m付近から上には冷温帯林のブナ林が生育する。

 上富田町は、町内中央を富田川が流れ、その両岸に市ノ瀬・岩田・岡・朝来・岩崎などに平野が広がり、その後背地は丘陵となっている。標高は生馬篠原上部の麦小森越えが最高の613mなので、町内全域はタブ・シイ林域に含まれる。しかし、自然林は残り少なく、大部分がスギ・ヒノキの人工林や、梅・ミカンなどの果樹園、田畑、市街地などとなっている。