○育成医療実施要綱
平成12年3月30日
要綱第2号
児童福祉法(昭和22年法律第164号。以下「法」という。)第20条第1項の規定に基づく育成医療の給付(以下「給付」という。)の事務手続き等については関係法令の定めるところによるほか、育成医療給付実施要綱によることとし、適正な実施を図る。
(給付の対象)
第1条 給付の対象となる児童は、身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第4条の規定による別表に掲げる程度の身体上の障害を有する児童又は現存する疾患が、これを放置するときは将来同別表に掲げる障害と同程度の障害を残すと認められる児童であって、確実な治療効果が期待しうるものとする。
2 給付の対象となる疾患の障害区分は、次のとおりである。
(1) 肢体不自由によるもの
(2) 視覚障害によるもの
(3) 聴覚、平衡機能障害によるもの
(4) 音声、言語、そしゃく機能障害によるもの(唇顎口蓋裂に伴う歯科矯正を含む。)
(5) 内臓障害によるもの(心臓、腎臓、呼吸器、ぼうこう、直腸及び小腸機能障害を除く内臓障害については、先天性のものに限る)
(6) ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の障害によるもの
3 内臓障害によるものについては、手術により将来生活能力を得る見込みのあるものに限ることとし、いわゆる内科的治療のみのものは除く。
なお、腎臓障害に対する慢性透析治療法、腎移植術及び小腸機能障害に対する中心静脈栄養法については、これらに伴う医療についても給付対象とする。
(給付の期間)
第2条 給付の期間は、症状又は手術の程度に応じ最小限度必要な入院及び通院期間とし、最長6か月とする。ただし、腎臓障害で慢性透析療法適応者及び唇顎口蓋裂に伴う歯科矯正療法適応者については、最長1か年とする。
(給付の内容)
第3条 給付は、現物給付によることを原則とし、給付の種類は、次のとおりとする。
(1) 診察
(2) 薬剤又は治療材料の支給
(3) 医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術
(4) 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
(5) 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
(6) 移送
(給付の申請)
第4条 給付の申請にあたっては、次の定めによるものとする。
(1) 申請者は、給付を受けようとする児童の親権者又は後見人とする。
ア 生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による生活保護を受けている者にあたっては、福祉事務所長又は町長がその旨を証明する書類
イ 世帯調書(様式第3号の2)及び税額証明書
ウ 所得税法(昭和40年法律第33号)の規定による所得税について税務署長又は特別徴収義務者が税額を証明する書類
(3) 申請は、原則として児童が入院又は通院治療を行う前にするものとする。
3 町長は、1の規定による申請書の内容等に疑義が生じた場合には、当該町を所管する保健所長に協議するものとする。
4 保健所長は、町長から前項の規定による協議があった場合には、速やかに指導・助言を行うものとする。
(医療券の取扱い)
第6条 町長は申請者に対し、医療券の取扱い及び費用の負担等について指導を行うものとする。
2 医療券の交付を受けた申請者は、これを速やかに医療機関に提出するものとする。
3 町長は、児童が死亡又は医療を受けることを中止した場合は医療券の返還を求めるものとする。
(継続・内容変更の協議)
第7条 医療機関が医療途中における医療方針等を変更しようとする場合、又は当該医療機関が医療券の有効期間を過ぎてこれを継続する必要がある場合は事前に育成医療継続(変更)協議書(様式第1号の2。以下「協議書」という。)に関係証明書を添付し、町長に提出するものとする。
(補装具の支給)
第8条 育成医療受給中の児童が、育成医療用の補装具を必要とする場合は、担当医師の意見を付した育成医療用補装具給付申請書(様式第1号の3)に療養費・家族療養費(治療用補装具)支給額証明書及び関係証明書を添付し町長に申請するものとする。
3 町長は、給付決定したときは、決定書の写しを保健所長を経由して健康対策課長あて送付するとともに、申請者は、育成医療用舗装具・看護料及び移送費給付請求書(様式第7号)に債権債務者登録申出書を付して町及び保健所を経由して健康対策課長に提出するものとする。
4 健康対策課長は、前項の申請者からの提出に基づき、給付決定のあった申請者に対し、その決定額を支払う。
(看護料及び移送費の支給)
第9条 育成医療受給中の児童が、育成医療用の看護及び移送を必要とする場合は担当医師の意見を付した育成医療看護料及び移送費給付申請書(様式第1号の4)に当該費用の額に関する証拠書類を添付し、町長に申請するものとする。
3 町長は、交付決定したときは、その写しを保健所長を経由して健康対策課長あて送付するとともに、申請者は、育成医療用補装具・看護料及び移送費給付請求書(様式第7号)に債権債務者登録申出書を付して町及び保健所を経由して健康対策課長に提出するものとする。
4 健康対策課長は、前項の申請者からの提出に基づき、給付決定のあった申請者に対し、その決定額を支払う。
(支払い命令額の決定)
第10条 町長が給付を決定する場合において、法第56条第4項の規定により児童又は扶養義務者に対して医療機関に支払いを命ずる額(以下「支払命令額」という。)は第4に掲げる関係証明書又は世帯状況及び課税状況調査書により世帯階層の認定を行い、別表(徴収基準額表)により決定する。
2 世帯階層の認定は、児童の属する世帯の構成員及びそれ以外の者で現に児童を扶養している者のうち、当該児童の扶養義務者のすべてについて、その所得税等の課税の有無により行う。ただし、前年分の所得税又は当該年度の町民税の課税関係が判明しない場合は、これが判明するまでの期間は前々年分の所得税又は前年度の町民税により決定する。したがってこれが判明した時点において申請者の届出に基づき判明した日の属する月の翌月から適用して再認定を行う。
4 入院又は通院期間が1か月未満の者については、徴収基準月額又は加算基準月額につき日割り計算によって算定する。ただし10円未満の端数が生じたときは、切り捨てるものとし、10円単位として決定する。
(医療保険各法との関連及び医療費の請求)
第11条 給付を受ける児童が医療保険各法の被扶養者等である場合は、医療保険各法による医療給付が優先する。したがって給付はいわゆる自己負担分を対象とするものである。
2 育成医療に要する費用について医療機関が請求できる額は、健康保険の診療報酬の例により算定した額から、医療保険各法の規定による保険者負担額及び第10の規定による支払命令額を控除した額とする。
3 知事は、前項の医療費にかかる審査支払い事務を、和歌山県社会保険診療報酬支払基金及び和歌山県国民健康保険団体連合会に委託する。
(その他)
第12条 給付の状況を明確にするため、育成医療券交付台帳(様式第8号)を町に備え付けるものとする。
2 町長は、各月の決定状況を育成医療給付決定状況報告書(様式第9号)により、翌月の10日までに保健所長まで報告するものとする。
3 保健所長は、前項の報告書をとりまとめのうえ、同月末日までに健康対策課まで報告するものとする。ただし、第8の3及び第9の3の規定に基づく町長からの交付決定の写し及び申請者からの請求書等は速やかに健康対策課まで提出するものとする。
附則
この要綱は、平成12年4月1日から施行する。